日産の年収 やはり完成車メーカーの給料は高い?

自動車メーカー

日産自動車の年収、福利厚生、企業年金、有給消化率等のワークライフバランスを調査しました。

有価証券報告書と会社のHP等から待遇を探るデータを調査しています。

日産は今ゴーン氏の報酬問題で世間を騒がせていますが、日本を代表する完成車メーカーです。

気になるお給料はいかほどでしょうか。

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日産の年収・勤続年数の推移

有価証券報告書の提出会社の状況よりの日産の年収・勤続年数のデータを集計・グラフ化しております。

従業員数 平均年齢 勤続年数 年収
2009年 30389人 41.6歳 19.9年 728万
2010年 29878人 41.8歳 20.1年 627万
2011年 28403人 42.4歳 20.7年 684万
2012年 24240人 42.8歳 18.3年 705万
2013年 23605人 42.6歳 20.5年 699万
2014年 23085人 42.8歳 20.6年 766万
2015年 22614人 42.7歳 20.4年 776万
2016年 22471人 42.8歳 20.3年 795万
2017年 22209人 42.8歳 20.2年 816万
2018年 22272人 42.5歳 19.4年 818万

日産の年収はの年収はここ10年で741万(627万~818万)で推移しております。

日産の年収

日産平均年齢

グラフをみると年収はじわじわと上昇しています。

勤続年数は、ほぼ横ばいですが、2012年に大きく落ち込んでいます。何が原因でしょうか。従業員数は、2009年には3万人を超えていましたが、2018年には2万2千人程と減少傾向にあります。

日産の年収・基本給・退職金等の待遇

日産の給与

■初任給

初任給は、2018年度実績で大学卒は月給22万円、修士了で月給24万4000円となっております。大手メーカーとしては平均的な水準で特段高くはありません。

■年収例
あくまで口コミを参考にした例であり、実際の年収は評価や配属により異なりますので、参考程度にとらえてください。
下記は総合職の場合です。

・30歳 担当職 550~600万程度
入社6年目ぐらいまでは総括層になるまでは給与は低く抑えられており、残業を入れても600万以下程度と低空飛行が続く。
若手の内は、給与面では高給は期待しない方がいいでしょう。

・32歳 リーダー・主任職 700万~800万
入社6,7年目以降で総括層(主任)に昇格し、大きく給与が上がる。
ここまではほとんどが昇格できるが、人により入社6年~8年程度の差がでる。
リーダーでも上の階層になり、残業が月40時間程いけば800万近くとなる。

・35歳 係長(課長代理) 800万~900万

人により昇格スピードが異なるが、入社10年~12年程で係長に昇格する。
主任までは残業代がつくが、課長代理となるとみなし残業制となる。
課長代理でも上の方になると1,000万近くになる模様。

・40歳 課長 950万~1,250万

40歳前後で管理職となる。管理職になると他メーカー以上の水準になる。
トヨタよりは低いが、他業界のメーカーで日産以上の給与が出せる会社はあまりないでしょう。

このように給与はメーカーとして高めですが、役職定年が50歳程と他メーカーより早いようなので注意が必要です。

役員報酬はどれくらいもらえるの?

総報酬 金銭報酬 インセンティブ 人数 一人当たり
取締役 1654 1564 90 8 206.75
監査役 101 101 2 50.5
社外役員 102 102 4 25.5

2017年度の有価証券報告書によると上記の通り日産の取締役の一人当たり報酬は平均2億円超となっています。

但し、1億円を超えているのは、ゴーン氏と西川氏の2名のみです。(1億円以上の報酬を得ている場合は有価証券報告書に記載する必要があります)

上記取締役の16億の報酬の内、上記の2名で12億を得ており、2名を除いた平均値と出すと7千万円程度になります。7千万円とはいっても他の日系企業に比べると十分高いといえるでしょう。

純粋な外資系企業と比べると見劣りするでしょうが、外資系はトップマネジメントの報酬が高いという世間の印象に相違はないでしょう。

■管理職以上の比率
女性管理職の人数の推移から予測する管理職数の推移

2014 2015 2016
女性管理職人数 214 242 279
女性比率 8.2% 9.1% 10.1%
全体人数 2,610 2,659 2,762
従業員数 22,614 22,471 22,209
管理職比率 11.5% 11.8% 12.4%

上記の表は日産のCSRレポートより作成しています。日産は管理職の女性比率を開示しており、そこから逆算して日産の管理職の人数を推定できます。
日産の管理職の人数は3千人以下で全体の従業員数に占める割合は10%前半です。大企業の中には3割が管理職という会社もあるので、管理職は絞られている会社といえるでしょう。これは役職定年が他メーカーより早いことも関係しているのではないでしょうか。

2014 2015 2016
人数 58 62 76
女性比率 6.4% 7.0% 8.1%
全体人数 906 886 938
部長以上比率 4.0% 3.9% 4.2%

又、同CSRレポートには、部長以上の女性比率が開示されており、部長以上の比率を割り出すことができます。これによると部長以上は全従業員の5%以下で非常にハードルが高いことがわかります。課長の比率が2016年だと7%程度だということが差分で読み取ることもできます。CSRレポートや統合報告書はこのように様々な情報を入手することができる情報の宝庫なので、見ておきたいですね。

企業年金

費目 金額 一人当たり
勤務費用 33,592 241,826
確定拠出年金拠出額 18,374 132,273
人数/計 138,910 374,098
残高 1,379,845 9,933,374

退職給付制度には確定給付制度と確定拠出年金制度があり、日産と一部の連結子会社は確定給付型及び確定拠出型を併用し、一部の連結子会社は確定給付型又は確定拠出型を採用しているとのことで、企業独自の企業年金が存在しています。

企業年金基金制度、退職一時金制度、確定拠出型の退職給付制度の3つの制度があり、老後の心配はなさそうです。

参考までに有価証券報告書の退職給付関係の注記を元に一人当たりの年金積立額を出してみました。子会社の従業員数の方が多く、実際の積立額とは異なるので、参考程度にしかなりませんが、他の企業と比較すると参考になる点もあるはずです。

一人当たりの積立額は毎年37万,退職給付債務の残高は1,000万程度と他のメーカーの注記からよみとれる情報と比較すると比較的高い水準になっています。なお、実際の所は大企業の平均を考えると、定年時には2,500万円以上はあるでしょう。

日産の残業時間とワークライフバランス

■休日について

週休2日制であり、年間休日年間121日(2018年度)と大手企業として平均的な水準です。夏季休暇(9日間程度)、年末年始(9日間程度)となっており、まとまった休みは取りやすいようです。

■労働時間と残業時間

8:30~17:30 実働8時間(休憩60分)

と法定通りの労働時間となっています。事業所により勤務時間帯は異なるようです。

メーカーは7時間45分の会社が結構多いと思うのですが、意外です。

項目 2014 2015 2016
残業時間平均(時間) 16.3 19.6 21.4
年休取得率(日) 18.7 18.9 19

上記は2017年のCSRレポートを元に作成しています。
月平均の時間は20時間以下と大手企業としては少ない方であると思います。有給給休暇は直近では19日とほぼ消化できており、有給は非常に消化しやすい環境にあるといえます。

日産の福利厚生等

■福利厚生

家族手当、通勤手当、時間外勤務手当、他

独身寮または手当等の補助は有り。入社6年間は最大で4万円の補助がある模様。

社内預金、財形、持株会、退職年金、住宅ローン、保険団体割引、社員車両購入制度等制度は揃っています。社内預金制度がある会社は今時珍しいですね。

■労働組合の有無。

有。

■社員食堂の有無。

有。1g1.2円のバイキングがあり、500円程度でお腹いっぱい食べられそうです。

日産は転勤はあるの?

日産のホームページによると”職種によりますが、グローバル本社やテクニカルセンターがある神奈川県を中心に国内の事業所への転勤の可能性はあります。

転勤にあたっては個人の事情を考慮の上、決定します。”との記載があり、全国転勤がある会社です。ただ、事業所は以下のように特定の地域に集中しているため、大手金融機関のように全国どこでも転勤の可能性がある会社というわけではありません。

事業所名 場所 人数 比率
横浜工場 神奈川県 2,214 11%
追浜工場 神奈川県 2,528 13%
栃木工場 栃木県 3,619 18%
日産自動車九州 福岡県 81 0%
いわき工場 福島県 491 2%
本社部門 研究開発設備 神奈川県 9,307 46%
本社設備他 神奈川県 1,940 10%
20,180 100%

上記は有価証券報告書の主要な設備の状況から事業所ごとの人員数と所在をまとめたものです。この表からある程度どの地域に転勤になる可能性が高いのかヒントが得られます。

まずほとんどの事業所が神奈川県になります。日産自動車九州が目を引きますが、全ての設備を当社製品の製造委託先である日産自動車九州(株)に貸与しているという注が付されておりで無視していいでしょう。半分近くが本社部門の研究開発拠点で働いているようです。首都圏で働きたいのであれば、魅力的な企業でしょう。

リストラ実施したことがある?

日産は2007年に大規模なリストラを実施しています。満45歳以上の一般職を対象としており、勤続5年以上の管理職は対象外なことから今後管理職に上がる見込みがない給与が高い平社員がリストラの憂き目にあったようです。1500人程度が対象となっています。
日産の有価証券報告書をみると2007年3月期には特別損失で特別退職加算金319億(連結)、2008年3月期には143億(連結)が計上されています。

単体決算では、2007年3月期 226億、2008年3月期6億が計上されているので、親会社、子会社関係なく、整理の対象となったようです。

外資が入っていますし、やむ負えない面はあるでしょう。

新卒・キャリア採用の状況

■新卒採用

2018年(2019年春入社) 2017年度実績
事務系、技術系 380 460
技能系 380 290
合計 760 750

■キャリア採用

2018年度 2017年度実績
事務系、技術系 500 500
技能系 300 320
合計 800 820

日産のHPによると新卒採用とキャリア採用の実績と予定は上記の通りであり、新卒採用とほぼ同数をキャリア採用により賄っています。

他の企業が新卒から育てるということを重視しているのに対して、外資系ということがわかります。

中途採用の人数を見る限り、かなり中途採用を積極的に行っている企業であり、大企業で中途採用が新卒採用のプロパー社員に比べて不利な扱いを受ける場面をみることがありますが、中途の扱いにはなれており、可能性は低そうです。又、メーカーでは現業と大卒以上の総合職で待遇に差がでてきますが、日産では技能系はおよそ全体の4割程度を占めています。

離職率 2014 2015 2016
4.3 3.8 3.4
自己都合 1.1 1.1 1.0
会社都合 3.2 2.7 2.4

上記は、日産のCSRレポートより離職率をまとめたものです。自己都合の離職率は1%と非常に低く、社員が辞めない会社ということが読み取れます。外資が入っているとはいえ、あまり人をリストラする会社という印象はないので、会社都合の退職が一定数あるのは意外でした。

■新卒の定着率推移

2014 2015 2016
男性
158
254 399
女性
62
70 121
220
324 520
女性比率 28.2% 21.6% 23.3%

上記の表がCSRレポートに記載の年度ごとの新卒入社者です。

彼らが3年後定着しているかどうかというのは、働きやすい会社かというのを判別するのに役に立ちます。9割以上が定着していれば、居心地は悪くない会社といえるでしょう。

男性
149
242 379
女性
57
65 112
206
307 491
男性定着率 94.3% 95.3% 95.0%
女性定着率 91.9% 92.9% 92.6%
定着率
93.6%
94.8% 94.4%

上記が定着しているかの結果になります。定着率は93%~94%でホワイト企業といえると思います。

まとめ

有価証券報告書に出ている年収は工場労働者が多く含まれており、低めに出ていますが、それでも800万を超えています。

総合職だけでみると平均年収は900万円を超えており、製造業としては十分な給与がでる会社です。

残業時間も多いわけではなく、ホワイト企業といえるでしょう。
自動運転、EVの時代となり、他業種も参入してきて、競争が激化することが予想されますが、そうなると完成車メーカ-で生き残れるのは、一定以上の規模の会社か特定の分野に特化した会社といわれています。日産が今後どうなっていくのか注目です。

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