富士フイルムの年収 1,000万円超の高給取り?

富士フィルム 化学メーカー

富士フイルムの年収、福利厚生、企業年金、有給消化率等のワークライフバランスを調査しました。

有価証券報告書と会社のHP等から待遇を探るデータを調査しています。

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富士フイルムの年収・勤続年数の推移

有価証券報告書の提出会社の状況より富士フイルムの年収・勤続年数のデータを集計・グラフ化しております。

まずは有価証券報告書を出している富士フイルムホールディングスの年収です。

従業員数 平均年齢 勤続年数 年収
2009 132人 43.3歳 20.2年 11,334,964
2010 141人 45.4歳 20.9年 10,638,807
2011 143人 45.4歳 21.2年 10,650,658
2012 144人 45.5歳 20.8年 10,978,538
2013 149人 43.5歳 20.3年 10,986,539
2014 125人 45.2歳 19.5年 10,701,540
2015 120人 44.5歳 20.2年 10,761,368
2016 112人 43.6歳 19.1年 10,707,834
2017 112人 42.3歳 17.7年 10,462,452
2018 220人 42.7歳 17.8年 9,711,760
2019 233人 42.7歳 17.8年 9,974,684
2020 228人 42.7歳 17.2年 10,028,486

基本的に富士フイルムと富士ゼロックスの出向者から構成されている持株会社であり、通常の新卒の方や中途採用の方が就職する事業会社はもう少し平均年収は少な目にでます。
上記の従業員数を見ていただくとお分かりになるかと思いますが、企業規模と比較して従業員人数が200人ちょっとと少ないです。

これは有価証券報告書を提出している会社が富士フィルムホールディングスと持株会社であるためです。これは有価証券報告書の提出会社(富士フィルムHD)の経営指標等をみると

項目 H29/3月
営業収益 29,646百万円
経常利益 39,080百万円
当期純利益 34,023百万円

となっており、営業収益よりも経常利益が大きくなっております。これは利益がほぼ子会社からのロイヤルティーや配当収入から構成されているからと推測されます。

又、よくホールディングスは役員のみから構成されているという話が掲示板等に記載されておりますが、”従業員”の平均年収なので、通常は上記の従業員数と平均年収の計算には役員の方は含まれていないのが一般的です。
通常の総合職の内、ある程度出世した方のみで構成されていると考えられるので、高めにでています。
なお、2017年から2018年にかけて倍増しているのは、富士フイルムと富士ゼロックスの経理部門を統合したことで出向者が増えたためです。それでも1,000万円程度を保っているので、メーカーとしては年収は高めであることがうかがえます。

業績は好調ですが、ホールディングの従業員数は減少傾向、平均年収も低下傾向にあります。

では通常の新卒が入社する富士フィルムの平均年収はどうでしょうか。

従業員数 平均年齢 勤続年数 年収
2009年 8337 42.2 18.6 8,600,000
2010年 7541 41.1 17.4 8,100,000
2011年 8444 41.6 17.8 8,300,000
2012年 7919 41.6 17.6 8,500,000
2013年 7614 41.8 17.6 8,300,000
2014年 6573 41.8 17.5 8,300,000
2015年 5524 41.8 17.6 8,500,000
2016年 5006 41.9 17.5 8,700,000

富士フィルム年収推移

 

以上のように富士フィルム単体であっても800万円以上とメーカーとして高い水準を維持しています。従業員数が2009年の8,000人から2016年の5000人と大きく減少しているのが気になりますが、事業構造改革(いわゆるリストラ)による影響かと思います。

富士フイルムの年収・基本給・退職金等の待遇

富士フイルムの給与

学部卒:222,650円
修士了:252,450円
博士了:283,600円
(2016年4月実績:月給)

他のメーカーと比較して24歳で25万、27歳で28万程度と高い水準にあります。

富士フィルムの採用HPによると資格等級制度をとっており、資格Ⅰ~Ⅴまであり、HPには図しかありませんが、30歳手前の27歳程度で資格Ⅳになり、上記の博士卒の初任給程度になると推測できます。早ければ大卒10年目、院卒8年目で資格Ⅴになり、課長代理クラスとなり、年収は800万近くになるようです。40歳前後で管理職になりますが、難易度は高いようです。

30歳時の年収は、富士フィルムは比較的実力主義の色が強く、ボーナスにも差がでてくるようですが、650万程度が目安で製造業としては、高い水準です。

ただし、27歳頃から自己選択制のようですが、裁量労働制が適用される方が多く、残業代は固定になるケースが多いようです。

■従業員数の内訳、管理職の占める割合

2009/3 2010/3 2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 2015/3 2016/3
内訳 8,337 7,541 8,444 7,919 7,614 6,573 5,524 5,006
一般 6,680 5,966 6,672 6,212 5,966 5,095 4,179 3,682
役職者 1,657 1,575 1,772 1,707 1,648 1,362 1,211 1,165
シニアエキスパート NA NA NA NA NA 116 134 159
管理職比率 19.9% 20.9% 21.0% 21.6% 21.6% 20.7% 21.9% 23.3%

CSRレポートにどの位の割合の方が管理職になれるのかヒントになる情報がありましたので、まとめました。「一般」というのがいわゆる平社員です。
課長代理や主任も平社員に含まれるかどうかは企業によっても違うかと思うのですが、一般的には役職者というのは、残業代がでない課長職以上を指します。
その数字をもとに全体の社員に占める管理職の比率を算出するとおよそ20%前後になります。近年徐々に比率が上がっていますが、一般的には20%という数字は管理職比率としては低いように思います。管理職の数を絞っていると考えられます。

そもそも富士フィルムは大卒採用がほとんどであり、大卒であれば全員課長になれるとは思わない方がいいでしょう。

■新卒採用・中途採用の状況、離職率の推移

2009/3 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3
新卒採用 200 139 149 148 98 69 67 79
技術系大卒 144 96 95 96 64 38 33 38
事務系大卒 46 43 50 50 33 27 31 38
事業場採用 10 4 2 1 4 3 3
事務系比率 23.0% 30.9% 33.6% 33.8% 33.7% 39.1% 46.3% 48.1%
中途採用 110 26 51 54 11 3 2 11
中途採用比率 55.0% 18.7% 34.2% 36.5% 11.2% 4.3% 3.0% 13.9%
離職率 3.8% 2.91 2.40% 2.20% 2.70% 1.80% 2.97% 2.93%

富士フィルムの採用状況の推移をサステナビリティレポートを元にまとめました。

採用数を絞っているのと技術系の採用を絞っており、事務系の比率が上がっているのがわかります。メーカーとしては、技術系の採用を絞っているのが少し心配ですね。

離職率は3%前後で推移しており、低めの水準です。離職率の計算方法も企業によって違いますが、富士フィルムの場合は定年退職や自己都合退職、シニア転身も含まれており、その結果3%前後であれば離職率は低く、働きやすい企業なのではないかと思います。

中途採用については2009年は100人以上と積極的に採用していたのですが、近年はかなり採用数を絞ってきています。

富士フイルムの退職金と企業年金

当社の国内子会社の従業員の大部分は、退職にあたり会社への貢献度をより反映したポイント制を基礎に算出される退職一時金又は年金の受給資格を有します。
当社の一部の子会社は、確定給付企業年金制度を有しており、~。当社の一部の子会社は確定拠出型退職給付制度を有しております。この制度では従業員の年間給与の一定割合に相当する金額を毎年積み立てております。

富士フィルムHDなので、子会社に富士フィルムも含まれますが、有価証券報告書によるとポイント制の確定給付年金、確定拠出年金、退職一時金制度があるものと考えられます。

日系の大企業としては、通常以上の年金が用意されていると考えられます。

費目 金額 一人当たり
勤務費用 22,289 283,933
確定拠出年金拠出額 10,264 130,750
計/人数 78,501
残高 802,358 10,220,991

有価証券報告書の数字を連結の単純平均でわると勤務費用が一人当たり28万円、確定拠出年金の費用処理額が13万円、これは連結子会社や年金制度がない海外の会社も含めた数字ですが、年間当り40万程は最低でも年金が積み立てられているはずです。
そのままは使えない数字ですが、他の会社と比較するとある程度参考になります。
退職給付債務の残高は、一人当たりに換算すると1千万を超えており、他の企業と比較すると多いです。この金額であれば定年まで勤め上げれば、大企業平均の2,500万は超えるかと思います。

富士フィルムの残業時間やワークライフバランス

■休日について

完全週休2日、夏休み、年末年始など年間123日(本社)

年間休日は120日を超えており、平均以上の水準です。

CSRレポートより有給休暇の消化率の推移をまとめました。

2009/3 2010/3 2011/3 2012/3 2013/3 2014/3 2015/3 2016/3
74% 75.5% 72.2% 67.3% 61.6% 61.5% 56.7% 64.6%

一部低い年もありますが、概ね60%~75%で推移しており、比較的有給は取りやすいのではと思います。

■労働時間と残業時間

フレックスタイム制
【本社】
9:00~17:40
【工場・研究所】(神奈川地区)
8:10~16:50

1日の所定労働は7時間40分となっています。製造業は7時間45分の会社が多いので、若干短めです。所定労働時間は、残業単価の計算にも使われるので、短ければ短い程いいです。

残業時間については、情報が少ないですが、厚生労働省の女性の活躍推進データベースによると23.6時間です。

富士フィルムの福利厚生等

■福利厚生

【施設】
社宅、独身寮、保養所 など
【制度】
社会保険、年金、共済制度、各種生活保障、新幹線通勤補助、財形貯蓄制度、アクティブライフ休暇制度、住宅融資制度、育児休暇制度、介護休暇制度、ボランティア休職制度、看護休暇制度、介護休暇制度、短時間勤務制度、出産一時金 など

社宅、独身寮、保養所、共済、財形貯蓄等一通りの制度は揃っており、福利厚生は充実しているといえます。

■労働組合の有無。

有。組合員数と平均年齢の推移は以下のようになっています。

 項目 2009/3 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3
組合員数 6,538 5,835 6,530 6,069 5,809 4,965 4,053 3,560
構成率 78.4% 77.4% 77.3% 76.6% 76.3 75.5% 73.4% 71.1%
平均
年齢
40.7 39.2 39.6 39.7 39.9 39.8 39.6 39.4

全体の従業員の7割~8割は組合員、つまり平社員から構成されています。

平均年齢をみても管理職にあがれず、平社員のまま会社員生活を終える方も多そうです。
■社員食堂の有無。

有。500円程度で定食や400円程度でパスタが楽しめます。

女性にとっての働きやすさ

まずは数字を男性と比較します。富士フィルムのサステナビリティレポートより作成しています。

 採用分類 合計 男性 女性 女性比率
技術系大卒 38 31 7 18.4%
事務系大卒 38 25 13 34.2%
事業場採用 3 3 100.0%
79 56 23 29.1%

やはり技術系が女性比率は20%と事務系の34%と比較して低いです。理系の女性が相対的に少ないのもありますが、どうしてもまだまだ工場は女性にとって働きにくいという印象があります。

平均 男性 女性 男女差
勤続年数 17.5 17.4 18.1 0.7
離職率 2.93% 2.74% 3.89% 1.15%

離職率を男性と女性で比較してみました。女性の方が1%高いですが、出産してそのまま退職という方も多いので、差としては小さい方かと思います。結婚や出産を機に退職する方も多いと思うのですが、勤続年数は女性の方が高く、働きやすいのではと推測できます。

富士フィルムは転勤はあるの?

富士フィルムは大手企業ですので、転勤はありますが、有価証券報告書の主要な設備の状況からどこに転勤のリスクがあるのか、転勤可能性はどの程度か推測することができます。

事業所 場所 人数 比率
本社 東京都港区 1416 15.5%
神奈川工場 足柄サイト 神奈川県 2758 30.1%
神奈川工場 小田原サイト 神奈川県 1101 12.0%
富士宮工場 静岡県 1300 14.2%
吉田南工場 静岡県 707 7.7%
ライフサイエンス研究所 埼玉県 802 8.8%
先進コア技術研究所 神奈川県 1079 11.8%
9163 100.0%

上記のように東京都か神奈川県といった関東地方の従業員数が多くなっていますが、静岡県にも20%程度の人員が配置されることになります。東京ミッドタウン本社は、六本木駅直結でアクセスもよく、働く環境として魅力的ですが、15%程度しか配置されないことになります。

場所としては、神奈川県の足柄サイトが30%程度と従業員数が多いです。

富士フイルムはリストラ実施したことがある?

富士フィルムは過去2回大きなリストラをおこなっています。1回目は写真フィルムがデジタルへ急速に移り変わっていったことから2005年から2006年にかけて行っています。2回目は2009年3月期と2010年3月期に、リーマンショック、円高、市場構造の変化を受けてリストラを実施しています。

有価証券報告書の構造改革費用をみると2010年3月期には、構造改革費用として1437億の費用を計上しています。

内訳をみるとその内人員関連の費用は、イメージングソリューション部門で106億、インフォメーションソリューション部門で150億、ドキュメントソリューション部門で124億の人員関連の費用を計上しています。これは多くはいわゆる特別退職金から構成されています。

2009年3月期 2010年3月期 2011年3月期
イメージ 9,725 8,369 12,867
インフォメーション 25,509 25,332 22,656
ドキュメント 40,536 40,056 45,051
全社 482 459 1,117
76,252 74,216 81,691

上記は連結の従業員数の推移です。リストラを実施しているにも関わらず、人数が増えています。これは、理由がいまいちわからないのですが、本体から子会社へ割増退職金を払って転籍してもらい、給与水準を下げたのではないかと考えています。

複数の事業を展開している大企業は事業ごとに撤退や売却を判断しますので、大企業だから安泰というわけにはいかないです。採算がよくない事業部に配属されるとそのまま企業ごと売却されてしまったり、リストラの対象になる可能性もあります。

実際、2005年や2009年には容赦なくリストラを行っています。昔は大企業であれば子会社等に受け入れ先がありましたが、今後は人材の流動性も高まり、一部の優良企業を除き、昔のように終身雇用の時代ではなくなていくかと思います。

まとめ

富士フィルムは有価証券報告書を提出しているのが、ホールディングスで平均年収1,000万円以上となっていますが、実際は800万円後半です。

それでもメーカーとしては高い給料となっています。ただ、複数の事業を展開しており、うまくいかない事業はリストラをする可能性は十分にありますので、注意が必要です。

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