【隠れ優良企業】オイレス工業の業績と将来性

オイレス工業機械メーカー

オイレスベアリングや免震・制振装置の分野で国内シェア1位のオイレス工業の業績推移と今後の将来性について調査しました。

オイレス工業は、オイレスベアリングでシェア5割をとっている1952年設立の東証一部上場の老舗メーカーです。免振装置でも高いシェアをとっています。

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オイレス工業の業績推移

オイレス工業の連結全体の業績の推移をまとめました。
■業績推移 (単位:百万)
 オイレス工業業績推移
決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2008/358,7337,0897,3024,294
2009/351,4144,1033,9151,640
2010/344,4903,1173,6162,568
2011/351,7156,2346,3163,536
2012/351,9814,6664,9192,957
2013/353,5474,7025,6023,332
2014/359,3806,1937,1194,203
2015/361,8976,0846,6374,300
2016/360,0834,9525,0544,927
2017/356,8934,4194,6011,466
 ニッチ分野でシェア一位を取っている会社なので、利益率は製造業としては高い水準です。
又、リーマンショック時にも営業黒字を確保しており、安定感があります。
但し、2008年には利益率が12.1%でしたが、2017年には利益率7.8%まで低下してきており、懸念点です。

2008/32017/3
売上高58,73356,893
売上原価38,44136,353
売上総利益20,29220,540
粗利率34.5%36.1%
販管費13,20316,120
販管費比率22.5%28.3%
 給与手当5,2306,307
 福利厚生費9881,387
 賞与121490
 退職給付費用232401
 人件費6,5718,585
 売上人件費率11.2%15.1%

上記は2008年と2017年のPLを並べた表です。
上記の理由として粗利率は大きな変化はなく、むしろ上がっているのですが、人件費が上昇してきて、販管費率が上昇しています。今後売上が伸びなければその内、人件費にメスが入るかもしれませんね。

■一人当たり売上高・営業利益(単位:百万)
 オイレス工業一人当たり売上従業員数が増えているにも関わらず、売上が伸びていないため、一人当たり売上及び一人当たり営業利益も低下傾向にあります。
一人当たり売上は3,000万程、一人当たり営業利益は3百万程であり高いとはいえません。

セグメント別の業績

オイレス工業のセグメントは、軸受機器、構造機器、建築機器の3つに分かれており、売上・利益の構成比は以下のようになっております。

オイレス工業 セグメント構成

軸受機器が売上・利益の大半を占めており、構造は営業赤字、建築の利益も僅少という状態です。

軸受機器

軸受機器はオイレス工業の売上・利益ともに占める割合が最も高い主力セグメントです。
自動車、鉄道車両、発電機、OA機器等の産業機械やダム、長大橋などの長期間メンテナンスフリーで使用されている分野等で使われているオイルがいらない又は少量で済む滑りのいいオイレスベアリングがシェアトップとなっています。

オイレス工業軸受

オイレス決算発表スライドより引用

当セグメントだけでみると利益率は11%を超える優良事業です。近年は利益率が低下傾向にあるのが気になります。売上総利益はそれほど減っていないので、販管費の負担が増えているのが原因でしょうか。

構造機器

オイレス工業構造

オイレス決算発表スライドより引用

構造機器は、オイレス技術の研究開発で培った技術を応用して開発した免震・制震技術を元にした免震装置、制震装置を売っています。
近年の業績をみると元々の利益・利益率水準も低めですし、売上も大きく減少しています。2016年、2017年には営業赤字となっていますので、全体の足を引っ張っている事業といえそうです。中期経営計画を見る限り、リストラ等は考えていないようで今後の業績に注目です。
免振装置でも高いシェアをとっているとのことですが、まだ利益にはつながっていないようです。

建築機器

オイレス工業建築

オイレス決算発表スライドより引用

建築機器セグメントは、分社化をした子会社のオイレスECOで行っている事業で建物の窓辺付近における自然換気・遮光システムを提供しています。こちらも利益水準は右肩下がりで利益率も5%未満と低い水準です。

財務面の安全性/キャッシュ・フローの安定性

決算期自己資本比率
2015/378
2016/379.4
2017/379.3
 自己資本比率は8割近く有利子負債もないことから極めて優良な財務となっています。
営業CFも毎年黒字、FCFも黒字であることから安定性は高い企業です。

まとめ

ニッチ分野でシェア1位をとっているオイレス工業は利益率も高く良い会社かと思います。

但し、売上が伸び悩んでいることや利益率が低下傾向にあることが気になります。
就職や転職を考えている方はそのあたりのことを聞いてもいいのではないかと思います。

オイレス工業の年収については、下記をご覧ください。

【隠れ優良企業】オイレス工業の年収と待遇 オイレスベアリングでシェア1位の機械メーカー

 

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