今回は電子基板向け中心の化学薬品会社であるメックの年収、福利厚生、企業年金、有給消化率等のワークライフバランスを調査しました。
有価証券報告書と会社のHP等から待遇を探るデータを調査しています。
まずメックがどんな会社かというと
1969年設立で東証一部上場の電子基板・部品製造用薬品の開発、製造販売等を主要な事業とする研究開発型の化学薬品メーカーです。台湾や中国等のアジア地域を中心に海外にも進出しており、海外売上比率は5割を超えているグローバル企業でもあります。
メックの年収・勤続年数の推移
有価証券報告書の提出会社の状況よりメックの年収・勤続年数のデータを集計・グラフ化しております。
年 | 従業員数 | 平均年齢 | 勤続年数 | 年収 |
---|---|---|---|---|
2009年 | 161人 | 39.6歳 | 12.0年 | 738万 |
2010年 | 163人 | 40.6歳 | 12.1年 | 610万 |
2011年 | 168人 | 40.7歳 | 12.2年 | 658万 |
2012年 | 168人 | 41.2歳 | 12.7年 | 684万 |
2013年 | 168人 | 41.9歳 | 13.4年 | 686万 |
2014年 | 170人 | 42.5歳 | 13.9年 | 691万 |
2015年 | 172人 | 41.9歳 | 13.5年 | 744万 |
2016年 | 186人 | 41.7歳 | 12.9年 | 736万 |
2017年 | 198人 | 41.8歳 | 12.7年 | 717万 |
メックの年収はここ9年で平均696万(610万~744万)で推移しております。
業績に連動しており、2010年にはリーマンショックを受けて600万円前半まで落ち込みましたが、業績の回復を受けて徐々に回復しており、ここ3年は700万を超えております。
メーカーは高卒の組立員がいるので、年収が低くでると聞きますが、メックの場合は新卒の採用を見る限り、大卒以上を採用しているようで、大卒平均が上記の年収の可能性がある点は要注意です。
近年、勤続年数が短くなっているのが気になりますが、新卒採用や中途採用で人数が増えた影響でしょう。
メックの年収・基本給・退職金等の待遇
給与と年金
■初任給
初任給は、2016年4月大学卒実績で基本給 217,350円、住宅手当 5,000円
合計 222,350円とのことです
但し、上記の住宅手当は非世帯主の場合で独身世帯主の場合の住宅手当は20,000円とのことです。
■給与例
25歳 研究職 435万円
35歳 研究職 660万円
給与としては30歳で500万~550万の水準の会社かと思います。
地方では十分に豊かな生活を送れる水準です。
■メックの企業年金
メックの有価証券報告書によると確定給付企業年金法による規約型確定給付企業年金制度があります。上記とは別に日本電子回路厚生年金基金にも加入しており、しっかりと企業年金制度が整備されている会社のようです。
メックの残業時間とワークライフバランス
■休日について
土曜・日曜・祝日・夏季・年末年始休暇 年間休日125日
年間休日は125日と120日を超えており、多い方です。
■労働時間と残業時間
勤務時間は、8:45~17:15(12:00~12:55休憩)の7時間35分労働となっており、法定より短くなっています。
こういった法定より労働時間が短い会社は労働者にとっていい会社のケースが多いです。
福利厚生等
■福利厚生
財形貯蓄・社員持株会・社員共済会・レジャー補助・地方出身者向け独身寮借上げ制度等
一般的な福利厚生は一通りそろっているようです。
■労働組合の有無。
なし。労働組合はないようです。
研究開発型の企業で組立員は正社員として採用していないようなので、必要ないのかもしれませんね。
メックは転勤はあるの?
事業所名 | 場所 | 人数 | 比率 |
---|---|---|---|
本社・尼崎事業所 | 兵庫県 | 156 | 79% |
東京営業所 | 東京都 | 11 | 6% |
長岡工場 | 新潟県 | 19 | 10% |
西宮工場 | 兵庫県 | 12 | 6% |
計 | 198 | 100% |
上記は2017年3月期の有価証券報告書の設備の状況より事業所ごとの従業員をまとめた表です。
メックは8割以上の人員が兵庫県に配属されます。
東京勤務は5%程度で勤務地がネックになる方もいるかと思います。
兵庫県が地元の方や兵庫県に住みたい方にはお勧めの企業です。
メックに採用されるには?
2015年 | 2016年 | |
---|---|---|
大学院了 | 7 | 5 |
大学卒 | 2 | 0 |
計 | 9 | 5 |
上記はメックの採用人数をまとめた表ですが、
メックの採用人数は5名~10名程度と少数と狭き門となっています。
但し2018年1月時点の採用学校を見る限り、東大、京大、早稲田、慶応といった一流大学の採用者はいないようで、割とチャンスはあるかと思います。
募集要項をみると総合職(研究・製造・技術営業)となっており、基本理系の研究開発職しか採用していないようですが、経理や人事等必ず文系の人間も必要になります。
化学会社のホワイトカラーはワークライフバランスもすぐれており、おすすめできます。
メックの業績推移
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 営業利益率 |
---|---|---|---|---|
2008/3 | 9,115 | 2,103 | 2,057 | 23.1% |
2009/3 | 6,954 | 878 | 733 | 12.6% |
2010/3 | 6,098 | 798 | 804 | 13.1% |
2011/3 | 7,049 | 919 | 877 | 13.0% |
2012/3 | 6,286 | 733 | 686 | 11.7% |
2013/3 | 6,703 | 917 | 956 | 13.7% |
2014/3 | 8,003 | 1,421 | 1,551 | 17.8% |
2015/3 | 9,057 | 2,008 | 2,129 | 22.2% |
2016/3 | 9,078 | 2,185 | 2,207 | 24.1% |
2017/3 | 9,259 | 1,887 | 1,888 | 20.4% |
メックの業績は近年は回復傾向にあり、やっとリーマンショック前に戻ってきた数字となっています。
又、営業利益率が20%を超えており、メーカーとして極めて高い数字になっているのが目につきます。地方の地味な会社ですが、いい会社かと思います。
まとめ
地味な地方に本社を構える会社ですが、営業利益率が20%を超えており、年収も十分な水準であることからよい企業であると思います。
研究開発型の企業のようで、腰を据えて研究がしたい方には向いているかと思います。
勤務地に抵抗がなければ一度説明会等で話を聞いてみる価値はあるでしょう。
コメント