TBSホールディングスの年収、福利厚生、企業年金、有給消化率等のワークライフバランスを調査しました。
有価証券報告書と会社のHP等から待遇を探るデータを調査しています。
テレビ業界といえば規制産業で高給取りである一方で本業の放送事業は斜陽産業のイメージがありますがどうでしょうか。
TBSホールディングスの年収・勤続年数の推移
有価証券報告書の提出会社の状況よりTBSホールディングの年収・勤続年数のデータを集計・グラフ化しております。
年 | 従業員数 | 平均年齢 | 勤続年数 | 年収 |
---|---|---|---|---|
2009年 | 205人 | 49.7歳 | 20.1年 | 1471万 |
2010年 | 75人 | 49.7歳 | 22.4年 | 1357万 |
2011年 | 75人 | 50.1歳 | 23.2年 | 1338万 |
2012年 | 70人 | 49.9歳 | 23.2年 | 1377万 |
2013年 | 74人 | 50.1歳 | 23.6年 | 1484万 |
2014年 | 70人 | 51.3歳 | 24.5年 | 1499万 |
2015年 | 85人 | 51.3歳 | 24.9年 | 1509万 |
2016年 | 82人 | 51.6歳 | 25.2年 | 1490万 |
2017年 | 78人 | 52.6歳 | 25.4年 | 1661万 |
2018年 | 83人 | 51.5歳 | 25.0年 | 1632万 |
TBSホールディングスの年収はここ10年で1482万(1338万~1662万)で推移しております。
テレビ局は元々高給だが、年々事業環境の悪化により収入が下がっているというイメージがありますが、むしろ上がっているというのが驚きです。又、勤続年数は通常は20年でも長いかと思いますが、勤続年数は25年となっており、かなり長く働いている方が多い=人が辞めない会社であることが見て取れます。
実際に離職率がTBSの採用HPに掲載されており、2016年の離職率は0.9%(TBSテレビとTBSHDを対象に調査)だそうです。
これは大手企業としても非常に低い離職率です。
なお、上記はTBSホールディングスという従業員が100人以下の持株会社の年収になります。現在の採用はTBSテレビという事業会社をつくり、そこで採用をしておりますので、新卒で採用された場合はホールディングス勤務となる可能性は極めて低いと考えた方がいいでしょう。現在のホールディングス勤務は年配の管理職中心と考えられます。
上記の勤続年数と平均年齢が突出して高いのは、新卒採用や中途採用をTBSテレビで行っており、人の出入りがないことが大きく影響しているかと思います。実際の年収は少し割引いた方がよさそうです。給与は上記水準よりは低くなりますが、30歳で1,000万程で他業界に比べると十分な高給ではあります。
年収・基本給・退職金等の待遇
給与
TBSホールディングスでの採用は行っていないので、事業会社のTBSテレビの場合で解説します。
TBSテレビの初任給は262,018円になりますが、これには34時間分の固定残業手当61,018円がふくまれており、基本給は201,000円となり、特別高いわけではありません。
TBSの給料が高いのは賞与が大きく、賞与が年4回でて、8カ月~10か月程になり、30歳で残業を入れれば1,000万円程に到達します。
TBSの退職金・企業年金
TBSの有価証券報告書には「確定給付型の制度として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度を設けているほか、複数事業主制度に係る企業年金制度として、総合設立型の厚生年金基金に加入しております。また、確定拠出型の制度として、確定拠出年金制度、前払退職金制度を設けております。」との記載があり、企業年金がある充実した年金制度がある会社であると見て取れます。
費目 | 金額 | 一人当たり |
---|---|---|
勤務費用 | 1,097 | 197,586 |
確定拠出年金拠出額 | 858 | 154,539 |
計/人数 | 5,552 | 352,125 |
残高 | 19,078 | 3,436,239 |
単純に一人当たりに換算すると年間35万程の積み立てになりますが、グループの従業員の内、本体にあたるTBSテレビは1,100人程で20%程ですし、大企業の平均退職金の2,500万は超える水準となるはずです。
TBSには早期退職制度があり、一定の勤続年数を超えると割増退職金が上乗せされる制度があり、下記の記事によると50歳で退職すると通常の退職金2,000万、割増部分2,000万で合計4,000万程度になるようです。職位にもよりますが、定年まで勤めると通常部分で3,000万円程ではないかと思います。
残業時間とワークライフバランス
■休日について
週休2日制、祝日、年末年始が休日なので、年間休日は120日を超えています。
■労働時間と残業時間
労働時間は他業界に比べて多い傾向にあります。転職口コミサイト等をみても職種にもよりますが、残業時間は80時間を超えております。
福利厚生等
■福利厚生
内科・耳鼻科・整形外科・歯科・神経科がある診療所がオフィス内にあり、保養所も売却する企業が多い中、箱根や下田に保有しています。
不動産が稼ぎ頭となっている企業であり、まだまだ余裕があるのでしょう。
■労働組合の有無。
有。
有価証券報告書によると子会社のTBSサービス、TBSビジョン、エフエフ東放、BSサンワーク、東通それぞれに労働組合があるそうです。
■社員食堂の有無。
有。サラダバー、ドリンクバー付きで1,000円の定食が食べられたり、安く済ませたい場合はカレーライス400円からあり、ワンコインで済むようです。
参考URL
転勤はあるの?
採用HPによると勤務地は本社(東京都港区赤坂)・関西支社・名古屋支局・海外支局となっていますが、多くの方は東京本社配属になります。職種にもよりますが、工場を持っているメーカー等に比べると転勤の可能性は低いといえます。
リストラ実施したことがある?
TBSは有価証券報告書を見る限り、積極的な形ではリストラは実施しておりません。
TBSへ転職するには?
TBSは新卒でも就職する難易度は極めて高い企業で人も中々辞めないため、中途も滅多に募集しません。ホームページをこまめに確認するか、エージェントに登録してTBSが募集したら教えてもらえるようにお願いしておくとよいかと思います。ちなみに以下のように2018年10月現在、キャリア採用を受け付けているようなので、チャンスです。
【1】情報システム部門
放送局・メディアならではのシステム構築。ビッグデータ解析や新規ビジネスへの挑戦を支えるシステム構築【2】投資戦略部門
M&A、業務提携、CVC運営、ベンチャー投資などの企画・実施業務など【3】経営企画部門
経営戦略、中長期経営計画の策定。コーポレートガバナンス強化の推進など【4】営業(デジタル戦略)部門
テレビ×デジタルの統合プロモーション施策立案。視聴者・スポンサーデータに紐づく企画提案など【5】報道部門
取材・原稿執筆や、レポート、インタビューなどに関わる取材記者。番組制作に関わるディレクター【6】事業部門
映画等の企画立案他、プロデューサー業務
まとめ
規制業種であり、高い給料を誇るTBSですが、今後はインターネット広告等に押されて、業績は厳しくなっていくでしょう。
ただ、TBSは放送事業よりも不動産事業で稼いでおり(利益ベースでいうと放送2割、映像文化4割、不動産4割です。)急に待遇が悪化することは考えずらく、他の業種に比べると待遇がよい状況は続くかと思います。
採用はかなりハードルが高いかと思いますが、サラリーマンとしては最高峰の会社かと思います。
TBSのような優良企業は求人の応募が少なく、丁度転職活動をしようというタイミングで応募しているとは限りません。
そのような場合に、狙いの企業を絞って、待つスタイルで転職活動をする方の転職方法について書きました。
・どうしても入りたい特定の企業に転職する方法
TBSのような大企業に転職するには大企業の求人が多い大手転職エージェントがおすすめです。
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